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~グリーン領域の研究開発をさらに強化~

味の素㈱、NEDO(新エネルギー・産業技術総合開発機構)の事業に採択され、たんぱく質生産の新技術開発を開始

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 味の素株式会社(社長:藤江 太郎 本社:東京都中央区)は、NEDO(国立研究開発法人新エネルギー・産業技術総合開発機構)が公募した「バイオものづくり革命推進事業」に対して「環境保護と食品供給の安定化を実現する精密発酵技術の開発」(以下、本研究)を提案し、NEDOによって採択されました。これを受けて当社は、独自の先端バイオ技術とAIを活用したたんぱく質の生産技術に関する本研究を、NEDOの助成事業の下で1219日より開始しました。

 世界的に人口増加に伴う食料、特にたんぱく質不足への懸念が深まる中、たんぱく質供給のための技術開発が急務とされており、世界経済フォーラムにおいても代替たんぱく質をテーマに継続的な議論が展開されています(参考:Alternative proteins will transform food, mitigate climate change and drive profits. Here's how | World Economic Forum)。202463日に内閣府より公表されたバイオエコノミー戦略では、バイオテクノロジーを活用し、環境・食料・健康等の諸課題の解決と持続可能な経済成長の実現を可能にする方向性が示されました。同戦略の一環としてバイオものづくりが位置づけられており、この度NEDOが公募した「バイオものづくり革命推進事業」でも、微生物等による目的物質の製造技術の開発・実証など複数の研究開発項目が挙げられました(NEDO バイオものづくり革命推進事業サイト:バイオものづくり革命推進事業 | 事業 | NEDO)。一方当社では、これまで微生物を活用し、医薬向け高分子たんぱく質、食品向け酵素、サステナブルな食糧生産に関わる代替たんぱく質の生産等の研究開発を進めていましたが、商業生産スケールでの安定的なたんぱく質の高効率生産にはまだ多くの課題が残っています。

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 こうした背景の下、当社はアミノ酸をはじめとする有用物質の発酵生産における知見と技術の優位性を活かし、目的のたんぱく質を効率的に発酵生産する技術の開発に取り組みます。具体的には目的のたんぱく質を生産する微生物の開発、AIやシミュレーションを活用した安定的な商業生産プロセスの迅速な開発、製品開発段階でのライフサイクルアセスメントの実施を含み、社会実装を見据えて取り組んでいきます。特にAIやシミュレーションの活用は、様々な種類のたんぱく質素材の生産プロセス開発期間の短縮に寄与し、次世代の食品素材に栄養機能を付加し、手軽な価格で提供するための基盤技術として期待されています。本研究は約5年のプロジェクトで、AIによる生産プロセス開発部分は株式会社ちとせ研究所との共同研究として行い、商用生産を可能とする水準の技術を開発し、サステナブルな発酵生産を通じたバイオものづくりに貢献します。
 当社はアミノサイエンス®で人・社会・地球のWell-beingに貢献していくため「ヘルスケア」、「フード&ウェルネス」、「ICT」、「グリーン」を4つの成長領域としています。本研究の推進によりアミノサイエンス®を強化し、更なる成長を目指します。

参考

2023年524日付プレスリリース
味の素㈱、東京工業大学との共同研究でたんぱく質の高効率生産に向けた微生物のスクリーニング法を開発https://www.ajinomoto.co.jp/company/jp/presscenter/press/detail/2023_05_24_01.html

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