味の素㈱、欧州の飼料用アミノ酸会社の全株式を売却予定

　味の素株式会社(社長：西井孝明　本社：東京都中央区)は、本日開催の取締役会において、当社子会社である味の素アニマル・ニュートリション・グループ株式会社(社長：柏倉正巳　本社：東京都中央区、以下AANG社)が100％保有する、欧州飼料用アミノ酸会社である味の素アニマル・ニュートリション・ヨーロッパ社(社長：David Demeestere　本社：フランス　パリ市、以下AANE社)の株式の全てを、発酵技術の研究開発に強みを持つフランスの事業会社METabolic EXplorer社(代表者：Benjamin Gonzalez　本社：フランスサン＝ボージール市、以下Metex社)に譲渡する意向を決議しました。AANG社はAANE社株式売却に係る協議のためMetex社と独占的交渉を開始し、AANE社の株式買取を15百万ユーロ(約18.9億円)で請求するオプション契約(以下オプション契約)を締結しました。関連する従業員代表との協議プロセス完了後、AANG社は2021年4月頃にAANE社の全株式をMetex社に譲渡完了する予定です^※。
※フランス労働法に基づき、関連する従業員代表との協議をまず完了する必要があります。本日、株式譲渡契約締結に向けAANE社内における経済・社会委員会(Social and Economic Committee)との協議プロセスが開始され、当該プロセスに最大3カ月程度要する見通しです。

　AANE社は1974年より欧州で飼料用アミノ酸事業を展開しており、飼料用リジン・飼料用トリプトファン等の製造・販売を行っています。欧州の食肉市場、飼料用アミノ酸市場は拡大している一方、当社は2020-2025中期経営計画において、持続的に成長できる事業構造への変革を重点戦略に掲げており、構造改革のロードマップとして非重点事業の再編による効率性・成長性の高い事業ポートフォリオへの再構築を進めています。この一環として、AANG社はこれまでの約10年間、動物栄養事業の構造改革における海外拠点のアセットライト化を実施してきており、今回のMetex社と独占的交渉の開始により同社の構造改革の完了を図るものです。

　当社グループは「食と健康の課題解決企業」を目指しており、今後は、独自のアミノ酸技術や素材をベースとしたスペシャリティ事業や、顧客別にカスタマイズされたソリューション等、製品・サービスで新たな価値を提供する「CFS(Customized Feed Solution)事業」を展開し、持続可能な食資源の生産に貢献します。

　2021年3月期第4四半期連結会計期間において、本オプション契約締結に伴い株式譲渡予定である、AANE社の資産・負債について、IFRS5号の規定に従い売却コスト控除後の公正価値にて評価します。当該処理に伴い、減損損失等をその他の営業費用として約130億円計上する見通しです。なお、当該費用については、2021年1月29日発表の「通期連結業績予想の修正に関するお知らせ」の業績予想数値に既に織り込まれています。
★１ユーロ＝126.48円(2021年１月29日レート)