味の素株式会社(社長:西井孝明 本社:東京都中央区)は、8月29日、連結子会社である味の素オムニケム社(代表者:ピーター・スタイク 本社:ベルギー王国 ウェッテレン、以下AOC社)を通じて、インドのグラニュールズ社(会長兼社長:クリシュナ・プラサード・チグルパティ 本社:インドハイデラバード州 以下GIL社)とAOC社の合弁会社であるグラニュールズ・オムニケム社(代表者:K.V.V.ラジュ 本社:インド アンドラプラデシュ州、以下GOC社)の株式50%を取得することに合意しました。これにより当社グループのGOC社保有株式は100%となります。GOC社は当社グループが「味の素バイオ・ファーマ サービス(Ajinomoto Bio-Pharma Services)」として運営するCDMO(Contract Development & Manufacturing Organization:開発・製造受託会社)事業において、重要な位置づけを占める低分子医薬の原薬および中間体の製造拠点です。独資化することにより、当社グループのバイオ医薬品開発・製造受託のグローバル体制をさらに強化します。
CDMOのグローバル市場の規模は約1,080億米ドル(約12兆円)で、近年、製薬会社において製造の外部化は増加傾向にあり、2016年から2020年まで年率8%と高い水準の伸長が見込まれています(当社推計)。バイオ医薬CDMOのグローバル市場において、低分子医薬の原薬製造サービス事業は全体の70%以上を占める最大のセグメントです。味の素バイオ・ファーマ サービスは低分子・高分子のAPI(Active Pharmaceutical Ingredients:医薬品原薬)や中間体の幅広い開発およびcGMP※に準拠した製造サービス、無菌注射剤充填サービス等を提供しています。
※cGMP:current Good Manufacturing Practice(医薬品等の製造管理および品質管理の基準)の略。米国FDA(Food and Drug Administration:米国食品医薬品局)の医薬品等の製造、試験に適用される品質管理システム。
GOC社は味の素バイオ・ファーマ サービスのcGMPに基づいて設計され、2014年の稼働開始以来、この基準を満たす品質を保持するとともに、薬機法に対応するシステムによって運営されています。GOC社の株式100%取得により、当社グループは味の素バイオ・ファーマ サービスとして提供する高品質の原薬製造サービスのグローバル市場における事業拡大および顧客ニーズへのより柔軟な対応を目指します。
味の素バイオ・ファーマ サービス事業は2014年度以降、市場の伸長率を上回る成長を遂げています。 今後さらに拡大が期待されるグローバル市場において、原薬供給を通じてヘルスケア領域における生活者の健康な生活に貢献し続けます。
なお、本件が2019年度業績に与える影響は軽微です。
★1米ドル=108.64円(2019年7月末レート)
参考
■味の素オムニケム社の概要
(1)英文会社名:S.A. Ajinomoto OmniChem N.V
(2)所在地 :ベルギー王国 ウェッテレン
(3)設立時期 :1778年(1989年より味の素グループ)
(4)代表者 :専務取締役 ピーター・スタイク(Peter Stuyck)
(5)従業員数 :799名(2019年7月現在)
(6)事業内容 :医薬中間体、原薬の製造・販売
(7)資本金 :約2,100万ユーロ(約23億円)
(8)株主構成 :味の素㈱ 100%
■グラニュールズ・オムニケム社の概要
(1)英文会社名:Granules OmniChem Private Ltd.
(2)所在地 :インド アンドラプラデシュ州 ビシャカパトナム
(3)設立時期 :2011年
(4)代表者 :CEO K.V.V.ラジュ
(5)従業員数 :約240名(2019年7月現在)
(6)事業内容 :原薬、医薬品の製造
(7)資本金 :857百万インド・ルピー(約13億円)
(8)株主構成 :味の素オムニケム社 50%、グラニュールズ社 50%
■株式取得後の株主構成
(1)株主構成 :味の素オムニケム社 100%
(2)株式取得日:未定(インド当局承認後)


