味の素株式会社(社長:西井孝明 本社:東京都中央区)は、連結子会社である味の素ヘルス・アンド・ ニュートリション・ノースアメリカ社(社長:佐藤達也 本社:米国イリノイ州、以下AHN社)を通じて、米国のモア・ザン・グルメ・ホールディングス社(社長:ブラッド・サックス 本社:米国オハイオ州、以下MTG社)の株式50.1%を取得する株式売買契約を締結しました(現地時間8月20日)。これにより、当社は米国における液体調味料事業、およびそれに伴う外食顧客向け販売チャネルを獲得し、当社独自の素材や「おいしさ設計技術」と米国内顧客への提案力を融合させることにより、北米における当社グループの「おいしさソリューション事業」を強化します。
米国の中食・外食向けBtoB市場の規模は183億米ドル(約2兆円)で、グローバル市場の約4割を占めており、2011年から2025年までの成長率は3.2%と堅調な伸長が見込まれています(当社推定)。また同国の外食市場においては、店舗調理における利便性や高品質なイメージにより、粉末調味料と比較して液体調味料(ブロス※・ソース等)の人気が高まっており、食品素材メーカーが液体調味料メーカーとの協働によってビジネスモデルを転換する動きが顕著になっています。具体的には、食品素材メーカーが液体調味料メーカーを傘下に置き、多様な製法・呈味等の知見を吸収した上で、自社素材と液体調味料を組み合わせて顧客毎にカスタマイズしたメニューを提案することで、特定顧客との関係強化を図るビジネスモデルへと変化してきています。
※肉、魚、野菜などを煮込んだだし汁。
当社はセイボリー領域の粉体調味料や、長年の研究で培った「おいしさ設計技術」に強みを持ち、加工食品メーカーや外食企業等500社以上の顧客と良好な関係を築いています。一方、MTG社は米国の生活者トレンドや嗜好を熟知したブロス・ソース等の液体調味料事業を展開しており、高い品質を実現する独自の製造技術や、コーポレートシェフ監修によるカスタマイズ提案を通じた加工食品メーカーや外食企業との強い接点を有しています。当社は、今回の契約締結によって獲得する外食市場におけるメニュー提案力と外食企業への直接販売チャネルを活用し、当社独自の素材や呈味・食感技術と融合させることにより、北米地域の「おいしさソリューション事業」を拡充し、新たなスペシャリティの確立を目指します。
当社は、2019年8月にMTG社の株式50.1%を取得する予定です。株式取得後も同社の現行経営体制を維持する予定です。なお、本件が当社の2019年度業績に与える影響は軽微です。
当社は2017-2019中期経営計画において、食品事業における地域ポートフォリオ強化を通じた確かな成長を重点戦略に掲げており、中食・外食市場においても各国・地域の食生活・食文化に適合した高付加価値型の「おいしさソリューション事業」を強化し、現地の生活者の健やかな食生活に貢献し続けます。
★1米ドル=108.64円(2019年7月末レート)
参考
■モア・ザン・グルメ・ホールディングス社の概要
(1)会社名 :モア・ザン・グルメ・ホールディングス社(More Than Gourmet Holdings, Inc.)
(2)所在地 :米国オハイオ州
(3)設立時期 :1993年
(4)代表者 :社長 ブラッド・サックス(Brad Sacks,CEO)
(5)従業員数 :約50名
(6)事業内容 :液体調味料(ブロス・ソース等)の製造・販売
(7)資本金 :12.6百万米ドル(約14億円)
(8)株主構成 :カリナリー・グループ・ホールディング社(以下、CGH社)
■味の素ヘルス・アンド・ニュートリション・ノースアメリカ社の概要
(1)会社名 :Ajinomoto Health & Nutrition North America, Inc.
(2)所在地 :米国イリノイ州
(3)設立時期 :味の素USA社 として1956年に設立。2018年に現社名に変更。
(4)代表者 :社長 佐藤達也
(5)従業員数 :約400名
(6)事業内容 :医薬用・食品用アミノ酸と調味料の製造・販売
(7)資本金 :なし
(8)株主構成 :味の素グループ100%
■株式取得後の株主構成
(1)株主構成 :AHN社50.1%、CGH社49.9%
(2)株式取得日:2019年8月22日(現地時間)を予定


